嫁聴け(1998-2016)

音を触媒にした連鎖と波形を、言葉を道具に焼いたもの

タイムマシンにおねがい / サディスティックミカバンド (2006)

三十数年、どの時間に跳びたい?

幼稚園児?いやいやそれは虫歯の記憶が酷くて、ちょっとばかりためらってしまうだろう?

小学生?イベントの度に熱を出しては欠席していたことばかりでイマイチためらっちゃうだろう?

中学生?転校ばかりでその後の人生をねじ曲げる結果になってしまったことに後悔していないか?そのたびに優等生然としていた自分に。単なる勉強バカだった時代に抵抗がないとは言えないだろう?

高校生?こりゃまた難しいタイミングへのジャンプだ。その辺あたりが転機ということだな。それはかなりシビアなお願いだ。タイムマシンの夢を叶える自分自身がためらってしまう時期へのジャンプを求めるというのかい?無謀な。

大学生?また電車の窓に後頭部をぶつけては帰宅する日々を送りたいのかい?止めはしないけれども、今とあまり変わらないことを繰り返す必要はないんじゃないのかい?

社会人になってからのあれこれ?気でも触れたかい?そんなところにまた跳びたいだなんて下らないことを考えている余裕があったら、少しは前を見てみたらどうだい?

そうか?前か?前に跳んでみることはできるかって?できないことはないさ。ただしその代わりと言っちゃぁなんだが、今の自分を踏み台にするだけのプレッシャーに耐える必要があるぜ。それが通行税代わりだ。今を代償にして未来をねじ曲げるくらいのエネルギーが必要だな。それくらいの覚悟は持っているかい?