恋はもう二度と花開かない
私の牢屋を理由にしてあなたから目も身体も背けていた
あなたを守ろうと決めたあの日から
変わってしまったものは何?
鑞のような顔で歩き回りながら
その簡単な罪を割って歩く どこまで?
海をも渡り歩く私はモーゼの杖を持っては
行き過ぎる男達を叩き割って進む
裂けた小さな海路に青鉱石を砕いては私の標とする
やがて波に呑まれて行く道標を見失おうとも
しばし私を隠してしまう潮にもみくちゃにされては
私も消えてしまう
私が噛みたいと願うものは何?
岩の中で青を振りかけれてしまったあなたの骨肉?
その身体でさえもやがては鳥が一片残らず片付けてしまう
私の取り分は鳥どもに勝利を得ない限りは現れない
そうしていなくなったあなたの骨を傘の骨に埋め込んで
こんな天気の日にはいつもあなたと、あなたが分泌する(たらす)水を
一滴飲み込んでは終わりにする
あとは少々の骨片と臼歯ですりつぶし私の中に流し込む
ああ、私が成就するのはいつの話
オロロンと吠えながら私になってしまったあなたを弔う
私を送るのは何?
やがて空が黒い鳥どもに覆われる頃
私は肉体をなくし、あなたの骨と共になる夢に到達する
その時にはあなたの骨も私の身体も
私を成す私というかりそめから這い出て
また次の身体を射す肉体として
夜をさまようことになるでしょう